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スイーツストーリー2
偉人 クレメンス・メッテルニヒ
クレメンス・メッテルニヒ 絵
うそ?本当?ウィーン会議に出されたというザッハートルテ

 どっしりとした味わいのチョコレートケーキ、ザッハートルテ。熱烈なファンが多いこの ザッハートルテについて回るのが、「オーストリアの政治家、メッテルニヒがウィーン会議 に出す菓子として開発を命じた」なる都市伝説です。
 いったいどうして、メッテルニヒの名前が浮上したのか。その謎を探るために、彼がどう いう人物だったかを紹介しましょう。
 クレメンス・メッテルニヒは1773年ドイツに生まれ、後にオーストリアの外交官・政治家 として活躍し、1814年にはウィーン会議を主宰。ナポレオン戦争後のヨーロッパ体制の枠 組み(ウィーン体制)を作り上げ、1921年には宰相に就任しました。
 政治家、メッテルニヒを一言で語れば「保守反動主義者」。当時、ヨーロッパで盛り上が っていた自由主義や国民運動を弾圧する政策で知られています。オーストリアの皇女、 マリー・ルイーズとナポレオン1世の結婚の仲立ちをしたのもメッテルニヒ。卓越した外交 手腕を発揮してオーストリアの外交を支えてきた人物です。
 そんなメッテルニヒとザッハートルテが結びついたワケは憶測の域を出ませんが、もし かしたらスイーツのパワーにあるのかもしれません。列強諸国の利害が対立し、遅々と して進まなかったウィーン会議は「会議は踊る、されど進まず」と評されましたが、メッテ ルニヒはなんとか列強諸国をまとめ上げました。「踊らない会議」の成立に一役買ったの が、もし世紀のスイーツ、ザッハートルテだったとしたら!?魅力的な都市伝説を作り上 げたのは、お菓子とお茶の時間を何より愛し、美味しいお菓子がイライラした気分やスト レスを解消するのに効果的であることをよく知っている人々の楽しい想像力だったのでは ないでしょうか。スイーツの力は偉大です。
スイーツエピソード ザッハートルテ
裁判で争うことになった2つのザッハートルテ

 どっしりとした味わいのこのチョコレートケーキは、ウィーン生まれの世界の 銘菓です。欧米の人々はこぞって甘いものが大好きですが、このお菓子はそ んな彼らにさえ甘すぎるとみえて、申し訳程度にしか砂糖を加えずに泡立てた 生クリームを添えて食べるほど、重厚な味に作られます。
 一説によると、このお菓子、ナポレオン戦争後の体制を定めるべく開かれた ウィーン会議の折、「今まで誰も食べたことのないようなものを作るように」との メッテルニヒの命を受けて、菓子職人エドヴァルト・ザッハーが作ったとされて います。ところが、調べてみるとこれは、彼の父のフランツ・ザッハーが16歳の 時、1832年に作ったものであるとか。ちなみにエドヴァルトはフランツの次男で す。ウィーン会議が開かれたのは1814~15年ですから、作った人も違います が、その年代も合いません。
 多分、先ほどのストーリーの方がお話として面白いとして、人々の口の端に のって流れていったのでしょう。物事のいわれや逸話にはよくあることです。  さて、そのエドヴァルトは44年後の1876年にザッハーホテルを開き、彼の父 フランツの手掛けたザッハートルテをホテルの名物にしました。
 1930年代に入り、経営が苦しくなったザッハーホテルが同市内のデメル菓子 店に援助を仰ぎました。そうした縁から門外不出だったザッハートルテの製法 が流出し、デメルでも同じ名前で販売されるようになってしまいました。これに 対して、ホテル側はその差し止めを求め、裁判で争うことになります。

 7年、9年、あるいは10年ともいわれる長い論争の末、1962年に決着がつきま した。双方ともそのお菓子を作ってもよいが、オリジナル・ザッハートルテの名 称はホテル側の占有に、デメルでは単にザッハートルテとして売るように、との 判決が下ったのです。ちなみに、ホテル側はケーキの間にアンズジャムをサン ドし、デメル側のはそれをしていないだけで、配合や作り方にはほとんど差が ありません。
 なお、この争いについても、「ザッハーの娘とデメルの息子とが結ばれ、その 作り方が伝わってしまった。そこでホテル側がデメルを訴えた・・・・・・」との話が 巷間伝えられています。筋書きとしてはこちらの方がずっと面白く聞こえますが、 実際はもう少し現実的な争いごとだったようです。
 ところで、その後、今度はかつてホテルを助けたデメル菓子店の方が、経営が 思わしくなくなりました。1990年代に入る頃のことです。そのときは市が援助の 手を差し伸べました。ウィーンの名門を消してはならじとの市民の後押しによっ てです。そして再建策のひとつとして、すべてのお菓子の配合を創業当時のも のに戻そうということになり、昔のレシピを探し出し、その復活に力を注ぎました。 よって、今あるデメルのお菓子は往時のまま・・・・・・。もちろんザッハートルテも。 もしウィーンを訪ねる機会を持たれたら、本家のホテルのものと復活したデメル のものを、ぜひとも食べ比べされることをおすすまします。お味?もちろんどちら も絶品です。

文献:吉田 菊次郎 編・著 「クリムとドリムの冒険」偉人が愛したスイーツ
ケーキ ザッハートルテ 絵

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