モンブランKOBE


スイーツストーリー3
偉人 ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
クレメンス・メッテルニヒ 絵
タマネギの皮をむくベートーヴェン!?

 交響曲第5番「運命」の出だしのパート、交響曲第9番の「歓喜の歌」はきっと誰の耳にも 馴染んでいるはず。ベートーヴェンは日本人にこよなく愛され親しまれている作曲家の一人 です。  ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、1770年にドイツのボンで生まれました。祖父も父親も宮廷歌手という音楽一家で育ちましたが、アルコール依存症の父親に代わって早くから家族を支え、暮らしぶりは決して楽なものではありませんでした。
 その彼をさらに苦しめたのが持病の難聴です。名声が高まってきた20代の後半から次第に症状が悪化し、一時は自殺まで考えたほど。その時、彼がしたためた遺書は「ハイリゲンシュタットの遺書」として残されています。
 しかし、聴力障害も、彼の音楽への情熱の火を消すことができませんでした。障害に真正面から向き合った彼は、次々と精力的に名曲を世に送り出したのです。
 ところで、音楽一筋のように思えるベートーヴェンは、12歳の時にコックの見習いとして船に乗り込んだことがありました。同行したのは、彼が敬愛するチェロ奏者のベルンハルト・ロンベルグ。歴史に名を残した楽聖が、コックとして働いていたなんて驚きですね。コックの見習いといえば、ジャガイモやタマネギの皮をむいたりといった下処理の仕事が定番です。ベートーヴェンはどんな顔をしながらタマネギをむいていたのでしょう。
 ちなみに、ベートーヴェンはアイスクリーム好きとしても有名です。1794年の日記に、彼はこう記しました。「ウィーンの町に落ち着いたが、今年の冬は暖かいので氷が少なく、アイスクリームが食べられるかどうか心配だ」(日本アイスクリーム協会の資料より)。
 病気に苦しみながらも、音楽を愛し、ロマンスを愛し、アイスクリームを愛したベートーヴェン。気むずかしそうに見える楽聖が、一気に身近に感じられる逸話ですね。
スイーツエピソード ツヴィーベルクーヘン
ドイツの甘くないケーキ

 直訳すると「たまねぎのお菓子」です。ドイツ地方にはこういうのが多いですね。同様のものに、カルトッフェルクーヘンKartoffelkuchen なんていうものがあります。これは「じゃがいもケーキ」。文字通りじゃがいもたっぷりのケーキです。クーヘンとはケーキの意味ですが、決して甘い味付けではありません。甘くないケーキもあるのです。いってみれば軽食代わりのおやつのような感覚で親しまれているもの。見てくれも派手さはなく、いかにも質実剛健なドイツの国民性を思わせるところがあります。
 同様なものが他国にはないかと周りを見回したら、ありました。フランス北部のロレーヌ地方の銘菓として親しまれているキシュ・ロレーヌ quicheLorraine。こちらも銘菓とされてはいるものの、中身は基本的にはたまねぎとベーコンと卵で作られた塩味のもので、料理の範ちゅうとしてとらえてもいい、この地の名物のひとつです。筆者も在欧中はよくこうしたもののお世話になったものです。なんとなれば、あちらのレストランは食べられる時間が決まっていて、お昼時などにその時間をはずそうものなら、どこも閉まって食べそびれてしまい、空腹を抱えて夕食時まで待たねばなりません。そんなときには近くのカフェに飛び込むと、こうしたものを扱っていて、ちょっとした小腹を満たすことができるのです。
 よい機会です。ここでそんな役目を果たしてくれる「ツヴィーベル」こと、たまねぎについて、少しばかり考察を深めてみましょう。

 たまねぎというのは改めて見てみると面白いですね。実に奥行きが深い。生のときはとてつもなく辛く、ナイフを入れたとたんに目をやられます。一切れ口にくわえれば大丈夫というのはまったくのウソで、痛いものは痛い。ところが煮たり炒めたりして熱が加わると、今度はほんのり甘くなる。
 また肉や魚のいやな臭さを消し去り、逆にそうした素材のうまさを引き立てる役割も果たしてくれます。原産地を調べると、これがよく分からない。物の本によると、中央アジアから地中海あたりに至るまでとありますが、これでは広すぎて特定できません。まあ、ユーラシア大陸の中央部一帯でということにしておきましょう。ただ、日本にはなかったようで、江戸中期にオランダから長崎に持ち込まれたといい、本格的な栽培は明治になってからのことです。
 そんなたまねぎをイースト生地にたっぷり詰め込んで焼き上げたドイツの逸品、なかなかのものです。ちょっとやみつきになりそうなほどに。ベートーヴェンが好んだであろうことは想像に難くありません。それを生んだ国、ドイツに想いを馳せながら食べるのも一興。また、野菜の苦手なお子様方でも、こんな形にすれば喜んで口にされるのではないでしょうか。

文献:吉田 菊次郎 編・著 「クリムとドリムの冒険」偉人が愛したスイーツ
ケーキ ツヴィーベルクーヘン 絵

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